OpenSolaris2009.06リリース

何気にさっき、OpenSolaris2008.11の仮想マシンをブートしてパッケージの更新してみたら。
異様に大量のパッケージが更新マネージャーに出てきた。

更新しようとしたところ、パッケージ管理用のパッケージを先に更新せよとのダイアログが表示された。
これはもしや、と思い、sun.comのOpenSolarisページに行ってみたら、、、

OpenSolaris2009.06リリース!?

6月1日にリリースするとは。
今ダウンロード中だけど、遅い。。。isoファイルではなく、これまでOpenSolaris2008.11を使用してきた世界中のOpenSolarisが更新かけている?
6月1日にダウンロードしていた更新は、結果として、ダウンロード途中で停止してしまった。(;_;)
隣で別のマシンで行っていたisoファイルのダウンロードが終わってしまったので、そちらを新規インストールすることにした。

以下、OpenSolaris2009.06リリース時のSunのアナウンス「Sun Achieves Major Milestone with New Release of OpenSolaris; Incorporates Open Networking to Deliver Latest Features for Next Generation of Solaris」抜粋のOpenSolaris2009.06でのエンハンス機能の、怪しい日本語訳。。。

  • ネットワークエンハンス

以前からProjectとして開発されていた、ネットワーク高速化機能Crossbowが組み込まれた。ファーストステップ?である今回の機能としては、スケーラビリティのあるマルチコア/マルチスレッドなCPUが非常に速いNICと組み合わせて仮想化されるように設計されたらしい。高速な多数のCPUスレッドと高速NICを組み合わせると、高速で負荷にも強いネットワークができる、ようだ。

  • ストレージエンハンス

ZFSを含め、ストレージも(dozens ofだから、とりあえず)数十くらいのエンハンスがコネクティビティやプロトコルサポートに関して行われたそうだ。ZFSがフラッシュデバイス(恐らくIntel製などの高速SSDと思われる)を完全に統合化してサポートし、フラッシュデバイスの読み書きアクセラレーターとして設計することで、高いパフォーマンスのストレージを巨大なストレージプールとすることができるようになったそうだ。これによりZFSで自動管理されるプールは多くのワークロード(ストレージの負荷とか性能のことだろう)の領域でRAIDコントローラの小さいサイズのキャッシュを時代遅れにしてしまうとか。

CIFS(samba/Windows共有)を(従来からnfsがそうであったように)カーネルネイティブでサポートしたらしい。これにより性能も向上し、さらにWindows共有のセキュリティ、名前空間、アクセス権限などのセマンティクスをWindowsLinuxSolarisで透過的に使用でき、ファイル共有できるようになったそうだ。全体的なストレージ能力を完全に引き出すために、Sunは新しい、iSCSIファイバーチャネルのブロックプロトコルへの非常にパフォーマンスの高いサポートをSolarisカーネルへ組み込むことを設計してきた。これにより、OpenSolarisの動作しているシステムは、あらゆる仮想ストレージトポロジーへクライアントとして、あるいはターゲットとして加わることが可能となった。

これらのストレージ機能はSolarisプラットフォームに組み込まれているので、Solarisコア機能(フォルト管理、ネットワーキング、マルチスレッドのスケール性、パフォーマンス、セキュリティ、リソース管理の能力)の優位性を完全に利用することができる、とのこと。なるほど。

  • 包括的な仮想化へのアプローチ

今回のアナウンスに伴いSunは、パフォーマンスとスケーラビリティを産業の新たな高さに引き上げるようなネットワーク、ストレージ、アプリケーションの抽象化に対する全体的で(Solarisに)組み込まれた仮想化のデザインを供給し続けてく。ネットワークストレージの仮想化の中にある優位性を構築することで、OpenSolaris OSの中に直接組み込まれた完全な仮想化プラットフォームをユーザに与えるために、OpenSolarisプラットフォームは、SunのCMTシステムとXenベースのハイパーバイザのためのSolarisコンテナや論理ドメイン(LDoms)の形での、キーとなるサーバ仮想化テクノロジーを提供する。世界中で広く使われてきた仮想化テクノロジーのうちの一つとして、Solarisコンテナは軽量で機敏でソフトウェアにより定義される境界を提供する。この境界は仮想化された、数百もの数が存在するエンタープライズクラスのワークロード(負荷、スループットなど?)の仮想サーバを一つのシステムに統合するのに使用することができている。

OpenSolarisはSunから出荷されているx86SPARCシステムを含み、数千のシステムを完全にサポートしている。これは世界記録を出したシステムや、サービス、サポートのレベルを最も高いレベルに保った安定した、出荷されたシステムを含んでいる。2008年5月に最初にリリースされてからOpenSolarisは、その多用途性を明らかにデモンストレーションする24組の世界記録と産業的なベンチマークを出してきた。その傾向はOpenSolaris20009.06においても続いている。組み込まれた革新性と拡張の優位性によって、OpenSolaris2009.06は、砂金のLinuxリリースと比較し、メモリ管理において35%、整数演算において18%のより良いマルチスレッド管理を提供している。

  • OpenSolaris2009.06に対する新しいサポートサービス

Sunは年度毎のOpenSolarisサブスクリプションを含むよう、SunSpectrumサービスの製品ラインを拡張してきた。それは開発者へのサポートから、我々のグローバルなサポート - そして先を見越したオンラインや電話でのサポート、をデータセンターのスケールのグローバルエンタープライズレベルのアシストとして提供するようになった。SunSpectrumサポートは、技術(テクノロジー)と知識(knowledge)、プロセス、そして顧客を手助けするパートナーに素早く問題を解決し、彼らのシステム製品やオペレーティングシステムテクノロジーのあらゆるところで彼らの成功を最大限ならしめる、実績のある組み合わせを利用しそれぞれに分化したアプローチを提供する。


個人的な用途、の観点で見れば、サポートサービスはお金がかかるのでOpenSolarisを使う意味がなくなるのでおいておいて、純粋にOpenSolarisカーネルが性能向上したらしい、ということと、CIFS(samba)がカーネルに組み込まれたことで恐らく高速化され、またWindows共有との相性が良くなったようだ、ということくらいがメリットかと思われる。

お金持ちな方々には、高速なマルチコアCPUと高速NICカードを組み合わせてのネットワーク仮想化や、高速SSDRAIDに関するストレージエンハンスもメリットになるかもしれない。。。

和訳に時間がかかってしまって、インストールの法が先に終わってしまったのだが、
実際にインストールしてみて気付いたことをいくつか。

  • Linuxでもリリースアップすると同じだが、背景やgdmのテーマが微妙に変わった。
  • OpenSolarisのLive CDで、grub起動時のメニュー選択によるコンソール起動が可能になった。レスキュー用CDとしては使い易くなった。
  • Firefoxが3.1β3になり、pre-3.5みたいな感じのものが使えるようになった。ただ、これはまだあまり使い込んでいないので、3.0.10との違いがあまりわからない。タブの右側に追加タブを生成するためのアイコンができて、Internet Explorer7?/8やChromeみたいな形でタブを開くことができるようになった。逆に、拡張モジュールで使えなくなったものも結構あった。とりあえずNo ScriptとAdblock Plus、WOT、Download Statusbarなどの、個人的に良く使用していたモジュールは対応済みだったので助かった。また、[BS]キーでページを戻さないようにするaddonが使えなくなったが、そもそも[BS]キーでページが戻ってしまう動作がなくなったので問題ない。
  • シャットダウンが、かなり速くなった、ような、気が、する、、、が、OpenSolaris2008.11まではVMware仮想マシンとしてしか動作させたことがないので、実際どのくらい速くなったのかは謎。
  • ThinkPad X61(CPU: Core2Duo T7300 2GHz, MEM: 2GB)に(Debian5 lennyとのデュアルブートで)インストールした感じでは、Debianに比べ起動が遅いが、起動してしまえば、個人的には速度的に不満はない。VMwareでは音が鳴らなかったが、実機にインストールすると、ちゃんと音が鳴っていた。これは2009.06に限った話ではないかもしれないが、、、(^-^;;;
  • 先にDebian GNU/Linux 5を論理パーティションにインストールしている状態でインストールしたところ、これを認識せず、あせった。。。googleしたところ、OpenSolarisgrubのmenu.lstに論理パーティション指定でDebian5のエントリを追加したところ、普通に認識した。良かった。。。怖くて試していないが、LinuxgrubZFSを認識するとは思えないので、基本的にはMBRがおかしくなったらOpenSolaris Live CDで起動してLinuxのエントリもメニューにあることを確認後、OpenSolarisにてinstallgrubを実行する必要があると思われる。
  • OpenSolaris動作システムをSunに登録すると追加リポジトリが使えるとのことで、登録してみた。途中でエラーが発生しダイアログが表示されたが、登録状況を確認したところ、なぜかちゃんとThinkPad X61の型番などが登録されていた。
  • 追加リポジトリの登録はセキュリティキーや証明書をOpenSolarisに組み込む必要があり、結構面倒くさかった。
  • 追加リポジトリの登録が済み、パッケージマネージャで中を覗いたところ、ATOKがあった!これは嬉しい。早速インストールした。
  • DHCPクライアントとしてのOpenSolarisホスト名をDHCPサーバに認識させるには、Solarisと同じく?/etc/default/dhcpagentと/etc/hostname.e1000g0を編集すればよかった。
  • Solaris10のノリでサービスの動作/停止管理はsvcadmコマンドを使用していたのだが、OpenSolarisでは、[システム]→[システム管理]→[サービスの管理]のGUIでできることがわかった。。。
  • ファイバーチャネルストレージなんて高価なモン、持ってないからサービス止めちゃえー」って停止させたら、マルチユーザーで起動しなくなってあせった。依存関係があった。。。

他にもなにかあったかも知れないが、とりあえず触ってみて、まだ忘れていないことは上記くらいかと思う。