無償化されたVMware ESXiについて

最近、無償化されたVMware ESXiを使ってみていたので、感じたことを書いてみる。
■ 良いところ

  • VMwareのネックであった、IO(DISK/NET)が速い。
  • PC内に複数仮想PCのネットワーク環境が簡単に構築できる。
  • ESXiの仮想ネットワークはServer/Workstation/Playerと異なり、現実のネットワークに近い。
  • ハードウェアのリソース制御が細かいところまで行える。メモリは他のVMware製品でも可能なのでともかく、CPUやネットワーク帯域の制御が可能な模様。(試していない)
  • あまり試していないが、ロギングやリソース制御など、コントロールパネルで可能な制御機能が非常にたくさんあり、VMware Server/Workstationなどとは桁違いと思われる。
■ いまいちなところ
  • Googleにも出てくるけれど、使えるハードウェアが限られる。(USBメモリ起動を利用すると、私のノートパソコンでも動作した。)これが一番痛いので、以下に詳しく記述。
  • 上記に含まれるが、基本的にゲストOSではホストのHDDとネットワークしか使えない。ディスプレイ、キーボード、マウスはネットワーク上のWindows PCからアクセスしたコンソールで使用する形式(VMware Serverと同様)。なので、USB機能はHDD/DVDから変り種まで含めて全滅。このため、ノートPCでは内蔵HDD以外使用できない。PCMCIAネットワークカードは未確認だが、かなり厳しそう。
  • Google調査によれば、USBメモリスティックで動作させることができた。ただし、USB CD-ROM以外のUSBデバイスから起動できるPCが必要なのと、動作させるためのUSBメモリへのESXiインストール作業が難しい。私はVMware Server2.0で、HDDなしの仮想マシンを作成し、最初にBIOS起動させたところでUSBメモリを差し込むと、それをVMwareがHDDと認識するので、これを利用してインストールした。過去の経験により、USB自動マウントする最近のディストリビューションではVMwareUSBメモリをHDDとして認識させるのが難しいため、Debian 4.0(etch)最小構成(デスクトップ環境なし)で作成した。
  • ゲストOSからはHDDは全てSCSIとして見える。このため、Windowsをインストールするには、VMwareのWEBにあるSCSIドライバが必要となる。また、SCSIとして見えるため、システム全体のバックアップソフトなど、上記ドライバが入ったWindowsが動作していない環境でHDDアクセスするようなソフトウェアは動作しない。このため、ゲストOSとしてのWindowsからのシステムバックアップができなかった。
(過去に苦労した経験より)バックアップができないと非常につらい。Linux/UN*Xは必要最小限の設定ファイルなどのみネットバックアップすればよいので、苦労しないのだが。。。
法人(会社)で、高速なNASなどがある環境、かつ互換リストにあるマシンで使用すれば、VMware社が提唱している、仮想マシンの物理ホスト間移動などの機能と、強力なリソース管理でメリットが大きくなると思われるが、そのためにはVMware Infrastructureが必要になる。やはりESXiは個人が趣味でいじるようなものではなく、VMware Infrastructureの概要を理解するための試用ソフトという感じであった。(-_-;